すると。 スッと伸びてきた手は私の手をギュッと握ってくれた。 それだけでドキドキが増してくる。 繋いだ指から感じる橘くんの体温。 今は私が由菜だから、橘くんは微笑みを向けてくれる。手を繋いでくれる。 でも……。 「次はゲーセン行こう」 橘くんのその言葉に、映画館を出て向かった先はゲームセンターだった。