雪の雫に濡れた夜


「…お詫びに、ご褒美やるよ」


「ーだって私、斗哉の事何も当てられなかった」

「当てなくとも、答えを言わせた」

「何の?」

「オレが何を考えているか、」



 斗哉の顔が近づき、
 耳元で囁く。


「答えは、何?」

斗哉の黒髪から雫が落ちて、私の涙と混じり合う。


「もう、さっき言った」

そう言うと、斗哉は唇を重ねた、


深く、
深くー


「好きだ、愛してる、シュイ」



 そう、聞こえた気がした。



 [完]