「みーいちゃんっ!」
にっこり笑いながら花束を抱えて、睦月が水月の病室にひょっこり顔を出したのは。
水月が聡に別れを告げた、その2日後のことだった。
「あら睦月」
水月もにっこりと満面の笑みで、妹を迎える。
「あ、お花持ってきてくれたの? 高かったでしょう、ありがとう」
「そんな、ヘーキだよっ」
微笑みを返して、睦月はしばし水月を見つめた。
チューリップの花束を抱きしめて目を細め、水月は心底から嬉しそうな様子に見える。
あたしに、気を遣っているのかな…と、睦月は思う。
そう思うほどに、水月が痛ましくなってくる。
(みぃちゃん……)
『みぃは、すごく傷ついてるのよ……』
満月の言葉が、耳の奥で甦る。
睦月が水月の病気を満月から知らされたのは、昨夜のことだった。
にっこり笑いながら花束を抱えて、睦月が水月の病室にひょっこり顔を出したのは。
水月が聡に別れを告げた、その2日後のことだった。
「あら睦月」
水月もにっこりと満面の笑みで、妹を迎える。
「あ、お花持ってきてくれたの? 高かったでしょう、ありがとう」
「そんな、ヘーキだよっ」
微笑みを返して、睦月はしばし水月を見つめた。
チューリップの花束を抱きしめて目を細め、水月は心底から嬉しそうな様子に見える。
あたしに、気を遣っているのかな…と、睦月は思う。
そう思うほどに、水月が痛ましくなってくる。
(みぃちゃん……)
『みぃは、すごく傷ついてるのよ……』
満月の言葉が、耳の奥で甦る。
睦月が水月の病気を満月から知らされたのは、昨夜のことだった。