急いで急いで急いで……、
やっと病院に着いた頃には、当然のことながら面会時間はとっくに過ぎていた。
人気(ひとけ)も無く、入口にはカーテンが引かれ、もちろん施錠されている。
でも、ここまで来て引き返せるものか。
僕は裏へまわり、救急用出入口から中へ入った。
薄暗い階段、そして薄暗い廊下。
冷たく硬い空気に、僕の足音だけが不気味に響く。
(あぁ…、こんなだったな……)
思い出した。
明(あかり)に会うために歩いた廊下も、こんな感じだったっけ……。
(明……)
僕はおまえに何もしてやれなかった……後から結果だけを知らされるなんて、もうイヤだ……!
もう、あんな思いはしたくない。
明のような想いを、水月にはさせたくない。
(何よりも…! 僕自身もう、後悔を引きずったままで生きたくはない……!!)
やっと病院に着いた頃には、当然のことながら面会時間はとっくに過ぎていた。
人気(ひとけ)も無く、入口にはカーテンが引かれ、もちろん施錠されている。
でも、ここまで来て引き返せるものか。
僕は裏へまわり、救急用出入口から中へ入った。
薄暗い階段、そして薄暗い廊下。
冷たく硬い空気に、僕の足音だけが不気味に響く。
(あぁ…、こんなだったな……)
思い出した。
明(あかり)に会うために歩いた廊下も、こんな感じだったっけ……。
(明……)
僕はおまえに何もしてやれなかった……後から結果だけを知らされるなんて、もうイヤだ……!
もう、あんな思いはしたくない。
明のような想いを、水月にはさせたくない。
(何よりも…! 僕自身もう、後悔を引きずったままで生きたくはない……!!)