ピピピピッーー!!!




「んーー…」




私はモゾモゾと動きながら手をのばして、目覚ましを止めた。



「……うぅ」




眠いけど、起きなきゃ…




私はグーッと伸びをした。



ダダダダダッーー!!



「ん?」



家が騒がしい。



お母さんの高い話し声…




もしかして……




「っみーきー!!!!」



バンッと荒々しくドアを開けたのは



「裕介!ノックくらいしてって言ってるでしょ!!それに今日は起きてます!」



「なーんだ。つまんね」




裕介は唇を尖らせて「外で待ってる」と言うと、ブツブツ言いながら部屋を出て行った。



リビングからはお母さんと裕介の話し声が聞こえる。




またお母さんに何か言われるよ。




そう思いながらも、私はいつもより早く身支度をすませて玄関に向かった。




「未来、ご飯は?」



お母さんがめずらしいとでも言いたげな顔をする。




「今日はいいや。裕介も待ってるし」



「えーちょっと未来…」



「いってきまーす」



私はお母さんを無視して家を出た。