とても高校生がするようなものじゃない甘いキスに


思考回路がパンクしそうになる。




真っ白になりそうな意識を無理矢理取り戻し

成宮くんの唇を噛んだ。





「…ってぇ」


「やめてよ…。何…してるの?」


「何ってキス」




成宮くんは切れて血が出る唇をペロッと舐めた。


その仕草に何故かゾクッとする。





「…ねぇ。教師と生徒はね、キスしちゃいけないの。分かる?」


「何で?教師も生徒も人間なんだから恋くらいするよ?」


「しないわ。少なくとも私は高校生相手に恋なんか絶対しない。だから、こんな事はもうしないで」




睨むようにして成宮くんを見据えると、チャラチャラした表情が一変した。




「ガキ扱いすんな」




チッと舌打ちを打つと

成宮くんはベッドから降りた。





「ちょっと…!傷の手当しなきゃ」


「アレ俺の血じゃねぇよ。殴った奴の返り血」


「え?そうなの?…良かった…」




…って!




「騙したわね!?」




そう叫んだ時にはもう、成宮くんはいなかった。






あんの男〜…!!


教師を馬鹿にし過ぎよ。





そりゃ、助けてくれた時はカッコイイなって思ったし

キスされて悪い気はしな……




は?


今、私なに考えてた?