「みーちゃんは人に死ねって言われたら死ぬの?今みーちゃんが悩んでるのはそれと同じだよ」


「全然違うよ」


「みーちゃんは何をそんなに恐がってるの?」




私は何が恐いんだろう。



軽蔑されること?
白い目で見られること?
罵られること?





「そんなに体裁や立場が大事?」




私は……。






「…もういいよ。分かった。俺もみーちゃん好きなのやめる」


「…え?」


「迷惑がられるのも懲り懲りだよ。…今まで悪かったね」




成宮くんは傷付いたような表情で私を睨むと


私から離れて歩き出した。





…これでいいんだよね?



付き纏われて迷惑だったし

気持ちを押し付けられても困るし


生徒と恋愛するつもりなんかないし。




いいんだ、これで。



成宮くんはイケメンだし優しいからすぐに次の相手が出来るよ。


成宮くんなら…。




成宮くん
成宮くん…


なりみや…




「り…ひと…。……理人っ!!!!」




自分でもビックリするくらいの大声で名前を呼ぶと


目を見開いた成宮くんが振り向いた。




堪らず名前を叫び続ける。






「理人理人理人理人理人理人」


「分かったから落ち着いて、みーちゃん。どうした?」




ポンポンと頭を撫でられると


堪えていた全てが流れ出た。




「…分からないよ、私…なに〜?何なの、私…。何がしたいのか分からないんだよぉ〜…」




もう、無理。

堪えられない。



なんで涙が出るの?


なんで止まらないの?





もう、自分で自分が分からない。