成宮くんの頭をガンッと叩くと、成宮くんはその場に倒れた。




「え!?ちょっと…!成宮くん!!」




そんなに強く殴ったつもりはなかったんだけど…。





「な…成宮くん、ごめんね、大丈夫?」


「ダメ…俺、死ぬ」




そんな大袈裟な。





「あぁ…死ぬ前にみーちゃんとあんな事やそんな事したかったなぁ…」




うん。


バカが言えるくらいだから重症ではないみたいね。





「みーちゃん、早く行かないと待ち合わせに遅れるよ。俺の事はいいから行きなよ」




成宮くんは重そうに体を起こすと塀に寄り掛かり、辛そうな息を漏らした。




確かに急がないと遅れちゃうけど

このまま成宮くんをほっとくワケにもいかないし…。





「みーちゃん…愛してたよ」




死に際のようなセリフを吐く成宮くんは、子犬のような目をこちらに向ける。



うっ…。

やめて、その目。





「…仕方ない。成宮くんも一緒に行こう。ちょっとなら歩ける?」




そう声を掛けると、成宮くんはスクッと立ち上がった。




なんだ、元気じゃん……って!!




「アナタ、騙したわね!?」

「何の事かな」




その、してやったりと言う顔がムカつくわ。





「元気なら帰ってよ」


「あー…また眩暈が…」




コイツ〜!!