「ごちそうさまでした」



ディナーを終え、ホテルから出て下界に降りる。


外の空気に少しホッとした。





「みーちゃん帰る?」


「そうね。2人でいる所、誰かに見られたらマズいし帰ろっか」




明日は休みだから

家帰ったら1人で飲みなおそうかな。



生徒の前だからと思ってお酒飲まなかったんだよね。




シャンパン美味しそうだったんだけど…って、そんなこと思っちゃダメダメ。







「あっ。行きは中原先生の車で来たから、タクシー呼ばなきゃ帰れないや」


「歩いて帰ろうよ。家まで送ってくから」


「そう?じゃあお言葉に甘えて」




車と人の行き交う音が響く夜の街を、無言のまま成宮くんと歩いていた。





「…ねぇ、何か話してよ」


「みーちゃん好きだよ」


「やっぱりいいや。黙ってて」




もっと他に話題ないワケ?


口を開けば好きだの何だの、いい加減にしてよ。




って、足痛いし!!





「みーちゃん?」




イライラしてたら足がズキズキと痛み始めた。



堪らずその場にしゃがみ込む。






「…靴擦れした」




ヒールの高い靴なんて滅多に履かないからなぁ。



いたた…。

皮剥けてら。