「ん〜♪美味しいっ!何コレ」


「フォアグラのソテーキャビア添え」


「フォアグラ!?キャビア!?」




世界三大珍味が2つも使われてるなんて…贅沢過ぎ!


一生食べないだろうなって思ってたのに。






「でも、やっぱり私はファミレスのハンバーグランチの方が口に合ってるかも」


「安上がりな女だな」


「いいでしょ、別に。ドリンクバーだけで何時間もファミレスで話してるのが好きなの。彼氏と一緒なら尚更」




こんな高貴な場所じゃのんびり出来ないし

緊張してガツガツ食べれないし。



たまになら、素敵な場所だけど。





「それより何でここにいたの?」


「みーちゃん受信電波を感知したから」




成宮くんのメインディッシュにドスッとフォークを刺すと


嘘、嘘と成宮くんは笑った。





「中原が藤原のオバチャンと、今日みーちゃんとディナー行くって話してたのを偶然聞いたんだ」



藤原先生に成宮くんがオバチャンって言ってたって言っちゃおう。




「てか、聞いたからって何で来る必要があるのよ?」


「妬いたからって理由じゃダメ?」



は?




「俺だって嫉妬くらいするよ。好きな女が他の男と2人でホテルなんて、嫌に決まってんだろ」


「ホテルじゃなくてホテルのレストランよ。そこ間違えないでよ」


「同じだよ」




真剣な顔で見つめてくるから何だか恥ずかしくなって


成宮くんから顔を反らしてグラスを回した。


カランと溶けかけの氷が鳴る。