僕は君の罪になりたい

中は案外広く、ドラムやベース、エレクトーンなどの楽器が置かれていた。



わっ…音楽室みたい。





「俺さ、Licht(リヒト)っていう名のバンド組んでるんだよね」


「リヒト?成宮くんの名前じゃない」


「Lichtはドイツ語で“光”って意味。メンバーの名前、みんな光って漢字が付くし、俺は理人だから丁度いいかなって俺が考えたんだ」




この子、ドイツ語も出来るのか…




でもここに連れて来られたワケがわかったよ。





「…ん?これ、サミュエルのポスターだね。ファンなの?」


「メンバーの奴がね。俺、ドラマーじゃねぇから違う」




サミュエルとは私の大好きなラヴの息子で

偉大なるバンドのドラマー。



音楽にあまり興味がない私でも知ってるくらい有名なビジュアルバンド。





「成宮くんは何の楽器弾いてるの?」

「俺はベース」




成宮くんは壁に立て掛けられているベースを手に取ると


ギュイイイーンと弾きはじめた。




生で聴くと迫力が違う。





…ちょっと、カッコイイ。






「ずっと気になってたんだけど、ベースとギターってどう違うの?見た感じ同じだよね」




ふと、隣にあったギターを見て疑問を投げ掛ける。