僕は君の罪になりたい

片側に流した長い前髪。

その赤毛から覗く垂れた瞳。


私の頭3個分くらい高い背に

程よく引き締まった体。





これがモテないワケないよね。





「何?ジロジロと」




前を向いていた瞳が、キョロリとこちらに向く。




「俺に見とれちゃってたの?」


「違うわ!!ふ…老け顔だなって思ってたのっ!」


「うっせ、童顔」




なにをぅ!?


確かに居酒屋に行くと

たまに年齢確認を求められるけどもっ!





「成宮くんさ、その長い前髪どうにかしたら?片方の目隠れちゃって鬼○郎みたいよ?」


「いいの。こっちの目、死んでるから」


「は?」


「俺ね、昔から伝わる邪悪な一族の血を引いてるから、隠してる方の目は色が違うんだよ。その目で見つめた人間を狂わすほど虜にしちゃうから隠しておかなきゃならないの」



へ?

何、そのオカルトちっくなファンタジーな話は。




でも何故か成宮くんが言うと

違和感がない。





「なーんて、この前髪はただのファッションだけどね」



アッハッハと笑う成宮くん。




この男、どうしてくれようか。