僕は君の罪になりたい

「まっ、とにかく行こう。絶対みーちゃんも楽しめるから」


「しょうがないな…」




まぁ…強制的とは言え、約束らしきものはしちゃったし

本当に満点採ってくれたし



こんなイケメンとデートなんて、もう一生出来ないかもしれないし。




…て、教師がこんな軽い考えしたら駄目かしら。





「はい、帽子被ってサングラスして〜…あと髪も束ねて…」


「アナタは何してるのさ」


「何って変装。…ちょっと怪しい人になっちゃったけど、これでみーちゃんだってバレないよ」




そのまま腕を引っ張られて、街へと向かった。




誰にも会いませんようにっ!





帽子を目深に被りながらキョロキョロ辺りを見渡して歩いていると


すれ違う女の子がみんなこちらを見ている事に気付いた。




…え、何?

こんな格好で挙動不審な私が不審者に見えるのかな?




「ねぇ、あの男の子モデルさんかな?」

「超カッコイイ〜♪声掛ける?」




ヒソヒソと聞こえてくる声は

私でなく成宮くんについての会話だった。




何だ。

そういう事ね。





チラッと隣を歩く成宮くんを見上げると、綺麗な横顔が目に映る。