「他の授業も出なさいよ」


「ん〜…気が向いたらね」



気が向いたらって…。



授業出ないなら何の為に学校に通ってるのよ。





「ねぇ、みーちゃん」


「何?てか、桐谷先生って呼びなさい」


「期末で英語100点採ったら、俺とデートしてよ」


「はぁ?」




デート?


何で生徒とデートなんか…。





「駄目って言うなら、俺テスト受けないよ?」


「それは…アナタが困るだけでしょ。私には関係ない」


「いいのかなぁ?自分のクラスの生徒がオール0点だなんて。みーちゃんが学年主任に怒られるよ」




うっ…。


それは嫌。…ってか困る。



学年主任のお咎め、長いし嫌味ったらしいし恐いし…。





「じゃ、約束ね。教師が約束破るなんて事すんなよ」




…ちょっと待って。


学年首席で成績がオールAの成宮くんが満点採るって…当たり前の事じゃないの?




「やっぱ駄目!そんな約束なし!!狡いよ!!」

「だーめ。もう約束しちゃったもんね」




困ってる私なんかお構いなしに

いただきます、とお弁当を食べ始める成宮くん。




「みーちゃん、おかずのバランス悪くね?全体的に茶色いよ」

「悪かったわね。私、煮物系しか作れないの」



焼く料理は簡単だけど、焦がしちゃうから作らないし。


お弁当だから生野菜は恐いし。





「ばぁちゃんみてぇだな。サラダを食べろよ、サラダを」


「文句言うなら食べるな」


「嘘、嘘。みーちゃんの手料理なら何でもOK」




何でもOKって、成宮くんの為に作ったんじゃないんだけど。