大学を留年スレスレで卒業した俺は、高校以来の友であるクロスケと共に卒業旅行に来ていた。

テレビで見慣れたその島は、それでも、俺達を感動させるには、十分な魅力だった。

「キャハハハ!」

「待て待てー!」

「やったなー!」

ワイキキビーチで、戯れる男二人。

これが日本なら、「俺達、何やってんだろ?」と、虚しさを感じるはずが、ハワイの日差しはそんなことを感じさせなかった。

例えるなら、某ネズミの夢の国で、良い歳したカップルがネズミの耳を着けながら楽しそうにハシャイでるのが、端から見たらかなり痛い風景なんだが、本人たちは全く気にならないのと同じようなものだ。

そう。それは、何かのマジック。