君を想えば

久し振りに感じる康介の温もりは、

驚くほどに温かく、

優しかった。

理由は今は聞かない。

それよりも、

寂しかった期間を埋めてくれるこの温もりを感じていたかった。








花火が終わった。

来年こそは初めから康介と見るんだ。

絶対にリベンジする。





「春菜!!!」

美夜子が駆け付けてきた。

目にはうっすら涙が溜まっている。


「春菜、良かったね…!!」

「うん!」

美夜子が泣くと、

私まで泣けてくる。

クラスメイトが、

康介を取り囲む。

久し振りに康介に会えたことを、

みんなが喜んでいた。

康介も嬉しそうな顔をしている。




「ハル!!」

「勝也。」

「今日は一緒に帰れんの?」

「あ〜…いやぁ…ー」

「勝也。

今日は俺が送るから。」

いきなり康介が私の手を握った。

周りのみんなが冷やかす。

「おっ…そっか。

頼むわ!じゃーな。」

「勝也…。」

康介がそう言ってくれたこと、

すごく嬉しかったけど、

勝也の少し寂しそうな後姿を見送るのは、

ちょっと嫌だった。


「俺らも行くか。」

「そうだね!」