「いいなあ、制服」
「懐かしいですか?」
「んー、どっちかっていうと」


好きかな?


そう言って、ふっと笑う。
瞬間、顔が火照る。


こんなにドキドキしてる事だって、君にはきっとお見通し。



ずるい。


オトナな余裕の君にいつも、コドモの私は振り回される。


「……ずるいなあ」


ため息混じりの君の言葉。
心の叫びを言葉にされて、心臓が跳ね上がる。


「……何が、ですか?」


それはこっちのセリフです。
そう、言おうとした私の耳元で。


「気づいてないの?」
「?」
「言ったじゃない、好きだって」


制服じゃなくて??
……私??


もうスルーしないでね、って抱きしめた君の腕は、少し震えてて。



余裕のないオトナの君に、ちょっと驚いて。
背中越しに感じる、君のドキドキを、心から愛しく思った。