☆彡Night and day『廼斗』☆彡〜悩んでナイト〜

「でね? さっきの話だけど……」


「いや実はさ。俺もおかしいと思ったんだよ」


 珍しく彼が話に乗ってくる。


「ほらあ。やっぱりね」


「光が言ってるの、あの川沿いの男子校ら辺での話じゃないか?」


 普段廼斗は、こんな風に自分から喋ることはない。何せ『夜のように暗い』のだから。

その彼が勢い込んで話している姿を見ながら、光は微笑んでいた。


「あそこって駅からちょっと離れてるし、人通りも少ないだろ?」


 廼斗は昼間有った出来事を思い返しながら確認する。


「そうね」


「光。あの男子校の前に猫が1匹居たの、気付いたか? その猫が停まって動かなかったんだ」