「お嬢様、ここは具合がよろしくないようです。園咲(ソノザキ)のお家柄には相応しくありません」


「美麗(ミレイ)ちゃん、早くう」


「何よ毒島。(ブスジマ)私が行きたいって言ってるの。貴方は黙って付いて来なさい。はああい、今行くわ」


「お嬢様……」


 毒島厳(ブスジマイワオ)は一瞬躊躇ったが、素早く彼女に付き従った。


 ここは都心の怪しげなクラブ。


1件前の店で盛り上がった勢いのまま、美麗はその面々からなし崩し的にここへ連れて来られてしまったのだ。