潮の額に汗が浮かぶと、賑やかだった周りの喧騒が段々と音程を下げ、回転を下げたレコードのように籠った音になる。 「良しその調子だぞ潮。もう一息だ」 「ぬ、ぬ、ぬ、ぬうううう」 そして「はああ」と、溜め息をつくと、世界は『牛歩』状態に入った。