☆彡Night and day『廼斗』☆彡〜悩んでナイト〜

「そんなこけ脅しが俺たちに通用するか! へっ!」


 見猿の放った拳を紙一重にかわした小粒は、その長い腕を駒手で絡め取る。


「青龍出水(セイリュウシュッスイ)!」


 爪先を捻り、それに連れ身体に伝わった力を一気に掌に集め、相手へ打ち込む。


「ギャヘッ!」


 見猿は情けない声を上げて弾き飛ばされた。


しかし。


「キャキャッ!」


 言わ猿の長い脚が弧を描いて飛んでくる。小粒は寸での所で体(タイ)を沈めて避けた。


「ンケケ!」


 息を付く暇もなく聞か猿の足払いが襲い掛かる。小粒は翼にした左手でその足を跳ね上げながら、相手の懐へ飛び込んだ。


「演手捶(エンシュスイ)」


 飛び込んだ勢いと相手が体勢を立て直す力がカウンターとなり、小粒の拳は聞か猿の腹にめり込んだ。


「ンゲッ! ケホッ、ケホッ」


 聞か猿はうずくまり、咳込んでいる。