もうひとつガサゴソと紙袋から取り出したのは、ずっしりと重たそうな弁当箱。
「え? 俺にもくれんのか?」
いつも靭の頭上を過ぎて行くだけの弁当箱は、この前に引き続いてまた靭の胃袋に供されることとなった。
「中身は質より量だから期待しないでね」
彼女はもはや齢に目もくれず、もじもじしながら俯いた。
「あれあれ? もしかして沢田さん、靭のこと……」
「嫌だあ、ジャッ君のついでに決まってるでしょ? じゃっ」
沢田あかねは顔を茜色に染めて走り去った。
「これは尋常じゃないよ靭君」
靭はポカンと口を開けたまま、あかねの後ろ姿を見送っていた。
「え? 俺にもくれんのか?」
いつも靭の頭上を過ぎて行くだけの弁当箱は、この前に引き続いてまた靭の胃袋に供されることとなった。
「中身は質より量だから期待しないでね」
彼女はもはや齢に目もくれず、もじもじしながら俯いた。
「あれあれ? もしかして沢田さん、靭のこと……」
「嫌だあ、ジャッ君のついでに決まってるでしょ? じゃっ」
沢田あかねは顔を茜色に染めて走り去った。
「これは尋常じゃないよ靭君」
靭はポカンと口を開けたまま、あかねの後ろ姿を見送っていた。



