☆彡Night and day『廼斗』☆彡〜悩んでナイト〜

 ……という訳で静香と椎菜の『世直し行脚(アンギャ)』は始まったのだ。


「先輩。でも今度のは大物でしたね。あれを放置してたら何人もの人が怪我してましたよ」


 やっと諦めが付いたのか、椎菜は自分で現場から遠ざかる道を進み出した。


「多分死人も出たでしょうね。彼の社会に対する憎悪は、触れているだけで寒気がしたもの」


 その感覚を思い出したのか、静香は肩を竦めてブルッと身体を震わせた。


「待って! 矢鎌さん」


 静香は椎菜を腕で制して、ゆっくりと辺りを窺っている。