……という訳で静香と椎菜の『世直し行脚(アンギャ)』は始まったのだ。
「先輩。でも今度のは大物でしたね。あれを放置してたら何人もの人が怪我してましたよ」
やっと諦めが付いたのか、椎菜は自分で現場から遠ざかる道を進み出した。
「多分死人も出たでしょうね。彼の社会に対する憎悪は、触れているだけで寒気がしたもの」
その感覚を思い出したのか、静香は肩を竦めてブルッと身体を震わせた。
「待って! 矢鎌さん」
静香は椎菜を腕で制して、ゆっくりと辺りを窺っている。
「先輩。でも今度のは大物でしたね。あれを放置してたら何人もの人が怪我してましたよ」
やっと諦めが付いたのか、椎菜は自分で現場から遠ざかる道を進み出した。
「多分死人も出たでしょうね。彼の社会に対する憎悪は、触れているだけで寒気がしたもの」
その感覚を思い出したのか、静香は肩を竦めてブルッと身体を震わせた。
「待って! 矢鎌さん」
静香は椎菜を腕で制して、ゆっくりと辺りを窺っている。



