☆彡Night and day『廼斗』☆彡〜悩んでナイト〜

 いつも彼が光に向ける表情よりも、明らかに暗い廼斗がそこに居る。それに気付いた光は注意深く机を降り、机の前にしゃがむと目の高さを廼斗に合わせて言った。


「どうしたの? 具合でも悪いの? 暗いわよ」


「アイツが暗いのはいつものことじゃん」


「暗い癖に偉そうだからムカつく」


 同級生達がコソコソと陰口を叩いているが、光は聞こえない振りをして更に聞いた。


「昨日なんか有った?」


「ああ。夢に取り残されかけた」


「ええっ? それは危なかったわね」


 夢の世界に閉じ込められた廼斗に出来るのは、その夢の主に話掛けることだけである。前回は光の尽力が有って尚、夢から脱出するのに1週間も掛かってしまったのだ。