☆彡Night and day『廼斗』☆彡〜悩んでナイト〜

 彼の腑抜けた返事も待たずに、光は昇降口へ駆け込んだ。そこは廼斗と縁遠い、無邪気な女子高生たちの声で溢れている。


「おはよう光」


「はい、おっはよう」


「光おはよー」


「おはよん」


 或る者には満面の笑みを向け、そして或る者にはハイタッチで返す。光の人気にはやはり、それなりの訳が有るのだ。


「でね、光知ってる? 野球部の試合。決まったみたいよ」


「そっか。丁度肩慣らしにはぴったりじゃない。相手はどこ?」


「うう〜ん、なんかどこかの男子校だって」


「またいやらしい目で見られちゃうわねっ。興奮して振り付け間違えたりしたら駄目よ? ミク」


「ああっ、そんな視線で見つめられたら感じちゃう……って何やらせんのよ! こないだのは興奮じゃなくて緊張ですっ!」