「そう言やあ、今度の予選。対戦相手が決まったそうだが、知ってるか?」
世良は野球部顧問の河辺教諭と懇意にしている。だからそっち方面の情報は逐一入ってくるのだ。
「知りませんよお。去年だったら同じクラスに野球部員が沢山居たから興味有ったけどお」
「俺はそもそも脳みそが筋肉で出来てるアイツラには何の興味も有りませんよ。だってアイアンメイデンとアイデンティティーの区別も付かないんだから」
運動とは全く無縁の2人からは当然そんな返事が返ってくるだろうと世良も予測はしていた。だが話には続きが有る。
「まあそう言うな。サッサは知ってるだろう? 慶実の応援を」
世良は、意味有り気に眼鏡をずらして上目遣いで疾風を見た。その風貌は教師と言うより、商品を値踏みする質屋のオヤジである。
世良は野球部顧問の河辺教諭と懇意にしている。だからそっち方面の情報は逐一入ってくるのだ。
「知りませんよお。去年だったら同じクラスに野球部員が沢山居たから興味有ったけどお」
「俺はそもそも脳みそが筋肉で出来てるアイツラには何の興味も有りませんよ。だってアイアンメイデンとアイデンティティーの区別も付かないんだから」
運動とは全く無縁の2人からは当然そんな返事が返ってくるだろうと世良も予測はしていた。だが話には続きが有る。
「まあそう言うな。サッサは知ってるだろう? 慶実の応援を」
世良は、意味有り気に眼鏡をずらして上目遣いで疾風を見た。その風貌は教師と言うより、商品を値踏みする質屋のオヤジである。



