変わってここは都内の男子校『謙譲高校』
疾風がポカンと口を開けて潮を見返している。
「……それってどういうことだ?」
「なんだよ疾風君。サッサと察しの良い君が、こおんな簡単なことが解らないなんて!」
潮は学生服の袖で口元を覆ってクスクスと笑った。疾風は潮にからかわれたのが余程腹立たしかったのか、顔を真っ赤にしてまくし立てる。
「解ってるよ! 決まってるだろ? 『牛歩』の通じない相手ということはつまり彼らも異能者だと言いたいんだろ? 牛くんっ!」
「はあいご名答。持ち点が更に倍になりまあす」
のんびりと返した潮の言いぐさに、疾風は輪を掛けて怒り出した。



