☆彡Night and day『廼斗』☆彡〜悩んでナイト〜

「だから私はそんなこと気にしないって言ってるじゃない」


「光は気にしなくても、俺は気になるんだよ」


　黒い霧はその濃さを増し、店の床を液体のように覆っていった。


「ねえ廼斗。そんなのが気にならなくなるまで、ってことで別れたんでしょ？　私だって……辛いんだから」


　これまで精一杯の笑顔を作ってきた光の顔が歪む。見る間にその大きな、色の薄い瞳は涙で潤み、あわや決壊の危機がすぐそこまで迫っていた。