☆彡Night and day『廼斗』☆彡〜悩んでナイト〜

 彼は精神的な問題から、この若さでEDを患っていた。性行為を喚起させる話題は廼斗にはご法度なのだ。


「嘘よ廼斗。でもそういうのに慣れておけば、また元気になるかもと思って……ごめんなさい」


 普通なら歓迎すべき光の好意を廼斗が遠ざけているのには、そんな事情が有ったのだ。


「俺は役立たずの根暗男だぜ? 光には周りにいい男が沢山居るじゃないか」


 廼斗の周りが更に暗くなる。沸々と溢れ出す黒い霧が彼らの居る空間を満たしていく。


「なんかこの店、暗くない?」


「停電じゃないわよね」


 他の客達がざわつき始めたのを聞き付けて光が慌てている。