VOICE【re:venge】



憎しみさえこもっているようなユキの視線に睨まれた敦士は、それに応えるように切れ長の目を細めた。そして何かに気付いたような表情を見せた後、いきなり唇をつり上げる。


「ああ……、なんだ。あんたまだ居たんだ?とっくに潰れてると思ってた」


二人の間の空気が凍り付くのを肌で感じた。これはヤバいかも、と思ったけど遅かった。
俺が口を挟む隙もなく、ユキのリーチの長い腕がカウンター越しに敦士の頬に向かっていた。

ゴッ。

うわ、いってぇ音!!

骨ばったユキの拳が敦士の左頬にヒットした瞬間、思わず目を閉じていた。
しかしそれも一瞬で、目を開けた次の瞬間には早くも敦士の掌がユキの胸倉を掴みにかかっていた。


「こりゃヤバい」


呑気に呟いた俺って余裕があるんだろうか?

なんてこれまた悠長に考えてから、俺は舌打ちを一つ。


「ったく。だからガキはめんどくせぇ」


そう吐き出してから隣で今にもユキに殴りかかろうとしてるバカの襟首を掴んだ。
当然、首を吊られたような状態になった敦士は、俺を振り返って怒鳴りつけようと口を開く。

が、その前に俺はその口に自分の煙草を突っ込んでいた。もちろん火のついたままの、だ。