後片付けが終わって、私は余っていたコーヒーを飲む。

苦いのは苦手だから、ミルクをたっぷり入れる。


課題終わらせよう。

服を着替えると鞄から課題のプリントをとり出し、やり始めた。

やってると集中するから、時間を忘れることが出来た。

矢崎さんとライ君が出かけてから20分くらいたったとき、


PRURURURU


矢崎さんの家の電話が鳴る。

・・・ファックスかな?


矢崎さんは一人暮らしなのに携帯のほかにも電話がある。

何で?って聞いたら

「ん?ああ、仕事で使うんだよ」

と、教えてくれた。

「本当ならメールのほうがいいんだけどさ、うちの社長メール嫌いでね。何かあると電話
かファックスになるんだ」

諦めたように言ってた。

「仕事現場の地図とか、設計図とかが送られて来るんだ」

そう言ってた事を思い出す。


だけど

『あ、もしもし?』

聞こえてきたのは女の人の声。

『秋仁?もうでちゃった?』

・・・紗江さんだ。

後ろからは空港にいるのか、ガヤガヤとした声が聞こえてくる。


・・・私が出たら・・・ダメだよね・・・。

悩んでいるうちに留守電に変わる。

『いないの~?えーっと。この前アパートに行ってベッド借りた時に、ピアスを落としたみたいなの。大切なものだから見つけたら家に届けておいてくれるかな?よろしくね』


え?

ベッド・・借りた?

・・ピアス?


電話が切れた後、ベッドルームに急いで向かい、ベッドの周辺を探した。

うそだよ。

何かの間違いだよ・・・。


不安に押しつぶされそうになりながら必死でピアスを探してた。


-----そして



「・・・あっ・・た・・」