「・・・はぁ、はぁ」

い、息が苦しい。

そっと唇を離すと、私の腕を掴んで体を起こす。

「しゅ、秋仁さん?」

そして私から少し離れて、

「カッコわる」

呟くように言った一言。

「え?」

「妬いた」

「へ?」

妬いた?妬いたって・・・

「や、やきもち?」

「・・・そうだよ」

バツの悪そうな秋仁さんの横顔。

それが凄く愛しくて。

私から抱きついた。

「柊子?」

突然抱きつかれてビックリしてるみたい。

「・・・嬉しい」

「ば〜か」

クスクス笑って抱きしめてくれる。

だっていつもヤキモチ妬くのは私の方だったから。


「これは、俺からの卒業祝い」

秋仁さんの言葉を聞いてそっと体を離す。

「え?・・・・え?」

秋仁さんが私の両手を握って、目の前に持ってきてくれた私の左手の薬指にあったもの


「・・・指輪・・・」

指輪?

「予約な」

「予約?」

何の?

「将来の」

え・・・。