貴公子と偽りの恋

香山君どころか、3組のみんなが一斉にこっちを見てる。

それどころか、隣の2組からも、更には私の1組からも生徒が廊下に出て来てしまった。

『あ、この子よ。今朝、裕樹様と登校してたのは』

『誰だ?』

『見た事ないなあ』

『転校生かしら』

『可愛いなあ』

『大した事ないじゃない』

いろんな事を言いながら、どんどん私の周りに人が集まって来た。

その人垣を分けるようにして香山君が来た。

「遼、おまえ声デカイんだよ」

「ああ、すまない」

「悪いと思ったら、連中をせき止めてくれ」

「おお」

「行こう、優子」

私は香山君に手を引かれ、階段を上がって行った。

今、『優子』って呼ばれた。
それと、香山君と手を繋いでる…