貴公子と偽りの恋

え、何? 何を『どうぞ』なの?
まさか、キスの催促!?

そんなの嫌よ。私のファーストキスは、好きな男の子とするんだから…!

「先輩?」

私がアタフタしてたら、竹中恵が少し首を傾げて私を見つめて来た。

その仕種はとても可愛いのだけど…

「待って。早まらないで。私にはそっちの趣味はないから」

「先輩が何言ってるかは分かりませんけど、私をぶつんですよね? だったら早くお願いします。出来れば少し手加減してくれると有り難いです」

そう言って竹中恵はまた目をつぶった。

「ちょ、ちょっと竹中さん。ぶつわけないでしょ!」

「ぶたないんですか?」

竹中恵は目を開き、キョトンとしていた。