貴公子と偽りの恋

お母さんはお父さんをキッと睨んだと思うと、すぐに私を見て嬉しそうに微笑んだ。

「優子は親孝行ね」

「え、何で?」

「自分の娘と恋ばなするのが、私の夢だったの。やっと夢が叶うんだわ…」

「おい、恋ばなって、まさか男か? 俺の優子に男が…?」

「うるさいわねえ。さあ優子、さっさと行きましょう。お父さん、盗み聞きしたら承知しないわよ」


お父さんは何か叫んでいたけど、私はお母さんに背中を押され、階段を昇って私の部屋へ行った。

お母さんと並んでベッドに腰掛けたものの、どう切り出していいか分からず、私はもじもじしていた。

「優子は今日、男の子に告白したんでしょ?」