貴公子と偽りの恋

香山君のお弁当箱は、お母さんの勧めでシンプルな二段重ねのものにした。

上の段におかずを入れて、下の段にご飯を入れるタイプ。この方が何かと楽なんだって。

ついでに私のも買ってもらっちゃった。
香山君のと色違い。香山君のは水色で私のはピンク。

「お母さん。お揃いなんて、図々しいかなあ?」

「いいんじゃない? 弁当箱くらい。持って歩くわけじゃないんだし」

「そうだよね?」



香山君のお箸と箸入れも買って、次はおかずの食材だ。

本を見ながらどんな食材が必要なのかと考えていたら、

「香山君って、好き嫌いはないの?」

と、お母さんから聞かれた。