貴公子と偽りの恋

「もう、びっくりさせないで。運転中は急に大きな声を出さないでって、いつも言ってるでしょ?」

「ごめんなさい…」

「で? メグって呼ばれてないわけ?」

「そうなの。確か最初に1回か2回はメグって呼ばれた気がするけど、その後はずっと『おまえ』とか、優子って呼ばれてた…」

「そう? いい傾向じゃない?」

「そうかなあ。つまり、私が上手くメグちゃんの身代わりになってない、って事なんじゃない?」

「そういう事だと思うわね」

「でしょ? ダメじゃん。お役御免になっちゃうよ…」

「まあ、なるようになるわよ」

「お母さんったら、人事だと思って…」

お母さんは愉快そうにウフフなんて笑ってるけど、私は何だか、嫌な予感がするな…