貴公子と偽りの恋

家に帰って制服から着替え、お母さんが運転する車で、少し郊外にあるショッピングモールへ向かった。

私は助手席で、買ったばかりのお弁当の本を、膝の上で広げていた。

「順調みたいね?」

「うん、たぶん…」

「やっぱり、他の子の名前で呼ばれてるの? えーっと、何て名前だったかしら…、忘れちゃったけど」

「メグちゃんよ」

「ああ、そうそう」

お母さんは、私が他の子の名前で呼ばれるのが気に入らないみたい。

親としては、当前だよね…


「あーっ!」

「何? どうしたの?」

「そう言えば、呼ばれてないよ」