「わあ〜、どうして私を呼んでくれないのよ?」

「だって、昼間誘った時、恵子は行かないって言ったじゃない」

「そうなんだけどさ…」

がっくりと肩を落とす恵子を見て、ある事を思い付いた。

「恵子って、もしかして紳一の事…」

「そうだよ」

「えーっ」

思わず大きな声を出しちゃって、周りの人からジロジロ見られちゃった。

「ちょっと、優子…」

「ごめん、ごめん。びっくりしちゃって、つい…」

「こっちこそ、『えーっ』だよ。今頃気付いたわけ?」

「うん…」

「私はずいぶん前から優子の弟くん、狙ってたよ」

「そうなんだ…」

ちっとも知らなかった。