貴公子と偽りの恋

さあ、どうする?
飲めば俺と間接キスになるんだぞ。

嫌がるだろうか。
嫌がらないでほしいな…


「いいの?」

「遠慮すんなって」

「じゃあ、ちょっとだけ」

優子は遠慮がちに俺のペットボトルに唇を当てた。

その仕種も可愛らしく思え、またもや俺の胸がドキドキした。



優子の弁当は、見るからに美味そうだった。赤や黄や緑と、カラフルだ。

それに引き替え、俺の弁当は味気ないものだった。お袋は昔から家事をしない人だから、弁当は自分で作って来た。

料理をするのは案外好きだが、優子の弁当を見たら、得意とは言えないので苦手だと言うと、明日から優子が俺の弁当を作ってくれると言った。

嬉しくて、俺は頬を緩めていた。