「睦美のどこがナチュラルかなァ? 目尻どんだけ、つけまで下げてんだよ」





「東京じゃこれが当たり前なんですゥ」





「ここは東京じゃねェよ」





アタシ達が入学したK高校は東京から一時間ほどだけど、





まだ周囲には田んぼがあるような田舎の高校だ。





それでも進学率はそれなりにある高校で、アタシが入学するにはかなりの努力がいる高校だった。





「はい。席に着けよー」





そう言ってムダに熱そうな男の教師が入ってきた。





「これから高校生活最初のホームルームを始めるわけだが、その前に。そこの高校デビューの二人! 相倉エルと岩澤睦美!」





早速担任に目をつけられた。





「まずはそのメイクと髪の毛をこれで直して来い」





とアタシ達のために用意されていたようなメイク落としと黒染めスプレーを渡してきた。