「あ、いたいた。スタジオ取れたよ」





リンナの言葉を遮って高峯(タカミネ)カエデが屋上に現れる。





「あれ? まだ二人? まァいっか。明日の19時から二時間借りれた」





「さすがカエデ。やるね」





「知り合いの知り合いがオーナーでちょっと無理言って頼み込んだ。エルに貸しだからね」





「いつかまとめて返してやるから心配すんなよ」





「はいはい。期待してないよ。んで、何してんの?」





カエデがベンチに開きっぱなしのワタシのノートを拾い上げる。





「バンド名考えてた。だってアタシがリーダーだし」