『誰もやらないなら、カエデがやればいいんだよ』





いつの日か、キラキラした笑顔の兄貴が同じことを言っていた。





だから、ウチは勉強以外の興味があること全部をやってこれた。





楽器だって、DJだって、ダンスだって。





親は反対しても兄貴が味方でいてくれたから。





『カエデはやりたいこと全部やりな。僕の分まで』





エルに兄貴の面影を重ねる。