「これがアタシ達のバンド、ラズルダズルリリーの曲」





「いいじゃん。エルのギターアレンジじゃないんだな」





「最近やっと楽譜読めるようになったばっかだからまだアレンジまではできないけど歌詞はアタシが書いたんだ。今日のライブ、見に来てよ」





シュウジの笑顔はまだ悲しみを引きずっている。





「わかった。少しよるところがあるからそれから行くよ」





「午後イチの出番だから遅刻するなよ」





「ああ。エルは時間大丈夫なのか?」





拾い上げたケータイの時計は11時をとっくに越えていた。





「完璧遅刻だ。ライブには間に合いそうだけど」





笑いながらアタシは急いで制服を着てギターをしまう。