吐息すら聞こえる距離で見上げるシュウジの瞳にアタシが映る。





「オレはもう、エルにギターを教えてやれないよ?」





「うん」





「エルの演奏も聞いてやれない」





「うん」





「エルが憧れてるようなギタリストじゃない、ただの大学生だぞ?」





「うん」





「それでも?」





もう迷わないで言える。





「それでもアタシは、シュウジが好き。弱いところも全部、大好き」





シュウジがそっとアタシを抱きしめる。





そしてアタシ達は、涙の味がするキスをした。