立ち上がった勢いのまま振り抜いた手が突っ立っていた先輩Aの頬を殴った。





「エル! やめろよ!」





ふらついた先輩Aにつかみかかろうとしたアタシをカエデが全身で引き止める。





「それ以上やったらライブできねェよ!」





「シュウジのギターがなきゃライブなんてできないんだよ!」





アタシがカエデに押さえられている間に先輩達は走って逃げていった。