「母親が大好きでさ、機嫌がいい時はだいたいこの曲歌ってる」





「つまり言い換えると、リンナも機嫌がいいってことらしいよ」





さすがカエデちゃんは頭の速い。





ワタシはまた歌い出す。






「お母さんが好きな曲だから?」





「エルさん、惜しいですね。確かもともとのタイトルって―――」




「ミク、待って」





少し気が早いミクちゃんの言葉をカエデちゃんが遮る。





「イン・アナザー・ワーズ(言い換えると)、アイ・ラブ・ユー」





最後の歌詞だけ歌って終わると、




三人はワタシの言葉を待っていた。