12.Summer days girls





雨が降ると、思い出すんだ。





ウチの目の前に広がる光。





それを遮るように現れる背中。





兄貴の全てを奪い去ったあの事故から一年。





あの頃はそれが受け入れられなくて兄貴を思い出さないようにしていた。





今は、ベースを弾いている時も思い出す。





一人で弾いていたら暗くなっていく気持ちも、エル達と一緒だから幾分か楽だった。





何より、初心者と変わらないミクとリンナに教えなければならないから気が紛れた。





というよりは、兄貴に教わっていたことを思い出していた。