6月になった。





昼休みの屋上は少し暑くて、アタシは一人でベンチに横になっていた。





iPodから睦美に借りたアンブレのメジャーデビューアルバムを聞いていた。





シュウジがアンブレからいなくなったのに、その曲達からはシュウジのギターの音が聞こえる。





あの日、タケルから聞かされた真実はアタシの気持ちを真っ暗な闇に葬り去った。





あれ以来、ギターに触らなくなった。





もうすぐライブハウスで演奏しなければならないのに。





シュウジにメールをしても返信はなく、電話にも出ない。





「シュウジのバカ………」