ワタシにはエルの心を察してあげることができない。





彼なしでは生きられないと、彼がいない世界なんて考えられないと、彼を支えに生きていたようなエルの気持ちを理解してあげられない。





気休めの言葉ですら思いつかない。





何か言えばエルの触れてはいけない部分に触れてしまいそうだった。





アナタを手放したくない。





そう思うほどの感情は、ワタシの中にはまだ生まれたことがなかったから。